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氷ノ山

Posted by on 2012/12/09
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10月も終わろうかという週末。すっかり秋になっているだろう氷ノ山へと僕らは車を走らせた。
「やまめ茶屋?」
それが氷ノ山へ登る道の目印だった。道の傍らへ車を停めマウンテンバイクを準備し、僕らは山の方へと向かった。



道はスタートしてすぐオフロードの登りになった。ゆるいが長い登りがいつまでも続く。時折、横を車が追い抜いていった。コロコロした石の上を走るのは大変で、もうだいぶ慣れたけど、なんだか無用な体力を使うので、やはりすぐにヘロヘロになってしまった。M女史は当然のように何事もないように、ひょいひょいと登っていく。
山の景色はまだ緑も多かったが、その中で紅葉していている木とのコントラストがとても綺麗だった。
道は途中舗装路になる。昔は全部オフロードだったらしい。そこにあるトイレで僕らは少し休憩した。さっき追い抜いていった車が何台か停まっていて、ここから登山するようだった。
その先、舗装路とオフロードを繰り返しながら展望台のような場所に出た。車がいっぱい停まっていてた。いい天気でそれほど寒くない山日和、登山客も多そうだった。
「ここからかつぎやで!」
そう!そこから先は登山道で頂上までは担ぎ上げだった。僕らはバックに入っていたおにぎりとバナナを食べると、ヨイショとばかりに山の中へと入っていった。


バイクを担ぎながら登っていると、頂上から降りてくる何人もの登山客とすれ違った。
「こんにちは」
挨拶すると向こうも挨拶を返してきた。中にはバイク乗りもいたようで、下りは楽しいだろうねと声をかけてくる人もいた。地面は所々ぬかるんでいて、ちょっと間違うと足首までめり込んでしまいそうだった。だから、慎重に慎重に僕は進むのだけど、M女史はそんなことはお構いなしにどんどん進んでいった。僕もなるべく遅れないようについていった。
頑張って登っているとやがて、木の生えていないひらけた所に出た。
「何か建物が見えるよ」
それは、山頂にある避難小屋のようだった。あそこまで登ればいいんだな、もう少しだ。そう思うと、少し足は軽くなった気がした。


「おおーっ、着いた、着いた!」
山頂は登山客でいっぱいだった。そこからは360度周りを見渡すことができた。ながめはなかなかのものだったが、吹きさらしのそこは少々寒かった。止まっていると汗が冷えてくる。僕らは急いで記念写真を撮りその場を後にした。


頂上からはやっとバイクに乗って進むことができた。背丈ほどのヤブの間に切り開かれた道を進んでいく。時々、僕の背丈ではくぐれない程木々が倒れ込んでいる。しかたなく僕は押していった。M女史はそのままくぐっていったのだろうか、むぐぐ!などと考えながら追いかけた。


ヤブ間の道はくねくねと次の山の頂上へと続いているのが見えた。
「ちょっとここで待っててよ。」
そう言ってM女史は先に登っていった。頂上の見晴台に登ると
「おーい!見える?」
とM女史は叫んた。下からは山頂の彼女の姿がよく見えた。


僕もすぐに山頂へと向かった。見晴台からは僕らが通ってきたヤブ道がよく見えた。山頂付近のまわりには何もないところを走るのはほんとに気持ちがよかった。


そこから先はしばらく泥沼地帯だった。タイヤがめり込むので乗る事はできず、油断すると膝ぐらいまで埋まりそうなところもあった。きっとこっちのが安全に違いない!僕はあえてM女史が行かなかった方へと行ってみた。しかしなぜかどんどん深みにハマっていきそうになるのだった。むぐぐ、素直についていけばいいものを。僕はあっち行きこっち行きしながら泥沼地帯を通り抜けた。
沼地を抜けた所はさっかより風がだいぶ暖かくて、僕らはそこで腹ごしらえすることにした。お腹はペコペコだった。

そこからはスタートまでずっと下りが続いた。落ち葉か地面に敷きつめられていてとても綺麗だった。所々大木が横たわっていて、ヨイショと押しながら下っていった。木々が段々と多くなりその合間をゆっくり下る。下からは「おーい」と叫ぶ声がする。もうそこは最初のオフロードだった。ゆっくりとはいえ、もうそこまで来たことがちょっと残念だった。





「じゃあ下で待ってるね!」
最後のダートの下りをM女史は颯爽と下っていった。僕も後を追いかけたが足がガクガクでいつもにもましてゆっくりだった。それでもやまめ茶屋まではそんなに時間はかからなかった。

ほんとにその日はいい天気だった。景色も最高だった。その数日後、氷ノ山は初冠雪だったらしい。そう聞いて、一番いい時に山に登れたんだなあと、季節の変わりゆく瞬間に巡り会えたんだなあと、改めて思い返した。マウンテンバイクならではの風景を見に、またここに来たいと思います。



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