MTBで山らしき山に入らなくなって9年が過ぎただろうか。年初めの日の出をラリー友達と二人で見に行ったり、ちょっと六甲山に行く以外はMTBにまたがる日はなかった。長年使っていたSIDショックもとうとう壊れて動きがおかしくなってしまった。(十数年も壊れない方がおかしい?)
でも、山本レーシングに残っていた最後の1本を手に入れることができた。新品のSIDショック。私のイエティがショックを変えただけで見違えるようにカッコ良くなった気がした。
気分を良くして六甲山へ。下りのショックの動きが明らかに違う。楽しい!もっと奥深い山へ行きたくなった。
「どこへ行こう?」私は山と高原の地図を広げ、昔走ってきた山の名前を思い出す。
「後山」14年前にS田氏とM井氏で縦走した山。「ここへ行こう!」
しかしここ数年MTB担ぎらしきものをしていない。体力と腰が持つかな??
2011年10月9日(日) 晴天、気温 暖かい。
1997年に訪れた山。再びここに来るなんて思ってもみなかった。AM7:00、M氏の車を松ノ木フィッシングセンターの駐車場に停める。誰もいない。少し肌寒いけど、いきなりの急登が続くのでちょうど良いぐらいだった。
渓谷沿いの舗装の林道を30分ほど登る。ロードでは早いM氏もMTBだと遅れ気味。しばらく進むと、目の前が崖崩れで閉ざされていた。私は何の躊躇もなくMTBを担ぎ崩れた山を登り始めた。
私はこうやって昔何人のMTBライダーを路頭に迷わしてきただろうか(汗)。
後のM氏にそう言われた。(そういえば、ロード乗りのS島氏にも言われたことがあるような・・)
気を取り直し再び延々と続く林道を登ると、後山登山道入り口にたどりついた。ここから、ひたすら押しの担ぎ上げです。14年前にも担ぎ上げたあの木の階段。見える景色全てが昔の景色と交差して、私の目の先は「平成之大馬鹿門」を目指していた。
後ろを振り向くとM氏は見えなかった。
森林に向かって叫ぶ。
誰もいない奥深い山の中での会話。
少し休んで再び担ぎ上げる。平成之大馬鹿門に行くためだけに作られた道。細くて足元が崩れやすい上に、背丈よりも伸びている笹藪。これを抜けるとおごしき山に着く。しかし、この笹が邪魔でMTBを担ぐにも押すにも大変。やっと目の前がひらけておごしき山に着いた。
14年前にこんな山の上にこんな石柱があるなんてすごいと感動した。そして今、再び感動に包まれた。
(AM 9:48 平成之大馬鹿門 おごしき山(1,095m) 到着)
小休止して、後山(西の大峯山)に向かう。担ぎがだんだんと腰に来て、動作が鈍くなってきたけど、AM10:46後山山頂(1,344m)に着いた。ハイカーも誰もいないその山頂には、遠くからベルビール公園の鐘の音が聞こえてきた。
私たちはそこで早めの昼食をとった。
AM11:00、いよいよMTBに乗れる場所に来た。後山から舟木山(1,334m)、鍋ヶ谷山(1,253m)、駒の尾山(1,280m)と尾根沿いを行く。
ゆるい下りとゆるい登りで、テクニックのある人ならMTBに乗って走れる。もうすでにグロッキーな私はコントロールを失い、丸木の階段の下りで前転する始末。それはちょうどハイカーの親子の目の前だった。
笑顔で交差する言葉。後を振り向くと、M氏もこけていた。でも楽しいなあ。
ゆるい登りになると、さすがM氏。押している私を横目にMTBに乗っている。「くそー」と思うが、ペダルを漕ぐ体力すら残っていなかった。
後山から2つのピークを過ぎ、駒の尾山頂へたどり着いた。山頂にはとても大きな無線のアンテナを担いできて電波を飛ばしている人がいた。
私たちは小さい山大きい山を見下ろしながら、お互い頂上を征服した者として会話を楽しんだ。
寒くなってくると、電波の飛びは悪くなるそうだ。
その言葉の通り、ダルガ峰に向けて丸木の階段の激下りが始まった。そして最後の担ぎ上げ。もう歩くというよりも、ヨボヨボ、ヨタヨタ。M氏も後ろで同じ状態で登ってくる。
ふと、目の前は平坦になった。ダルガ峰の山頂。そこは見渡せる山頂ではなく、ブナと植林の台地といった感じだった。その林の隙間から漏れる太陽の日差しが私のイエティを照らして私は思わず「カッコイイナー」と叫んだ。
林の中のトレールをスラロームの様に走りぬける。MTBならではの走り。「気持ちいい」
そして、林を抜けると目の前の景色はススキの大草原だった。
ちくさ高原スキー場の最上部。ここから雪のないスキー場をMTBでダウンヒル。
↓ 頂上はススキの草原
ダウンヒル開始
まだまだ下る
どんどん下る
しかし、すすきで石ころやら溝やら段差やらが見えない。やや慎重に下る。下りの途中M氏のことが気になり振り替える。するとMTBから降りて、ピョンピョンと飛び跳ねているのだった。
(ははーん、私にはわからない痛みを体験したんだなー)
雪のないスキー場を下ると、後は舗装路を駐車場まで下るだけだった。
今日のコースは登りはほとんど押しと担ぎ、下りも半分しか乗れない。MTBで行く意味はあるの?
山の最上部に置いた自分のMTBが最高にかっこいいと思える瞬間に出会うためです。
おお、こんな記事を読むと、久々に逝きたくなってきた!
AKIOさーん
MTBは楽しいね!
又一緒に山行こうね!!