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Day19 インディアナ州

Posted by on 2011/02/16
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今日のルート



今日のスタート地点、スプリングフィールドは本来二日前にたどり着いている予定の場所だった。残りの距離は約1500km。これをあと8日で走る必要があった。これ以上遅れるわけにはいかないが、そうかといってあせってはいけなかった。昨日のことを思い出し僕らは気を引き締めて走り出した。
予定ではここから214kmほど東へ行ったロックビルという街でモーテルを探す予定である。道はほとんどフラットのはず。190km地点辺りで次のインディアナ州に入る。



昨日まで基本的に3時にスタートしていたのであるが、昨日は余りにも色々ありすぎた。少しゆっくりしようということになり、今日は4時スタートにすることにした。
すると、スタートが一時間遅くても大して変わらないことがわかった。朝早すぎても眠いだけで意外と進めないのだ。だからこの日以降僕らは朝は4時に出発するようになった。
スプリングフィールドの街を離れると、僕らはまた昨日と同じような田舎道を進んだ。空が明るくなってくると、昨日の通勤ラッシュを思い出し怖くなった。特にM女史は昨日のあの感覚がまだ残っていて、近くを車が通る度に恐怖を覚えていた。



しかしその道は街から離れる方向だったこともあり、それほど交通量は多くなかった。そのまっすぐな道は次の大きな街ディケイターまで続いていた。

ディケイターの街

その街にたどり着いたのは、朝8時ごろだった。そこそこ大きな街で幹線道路になるとかなりの車が走っていた。



僕らは幹線道路を避けて、公園の中の道を走った。公園は木が生い茂っており、木漏れ日が気持ちよかった。朝からランニングをしている人もいた。お互いおはようと挨拶した。
公園を抜けると大きな湖があった。道はその湖の真ん中を走っていた。今日もいい天気で、景色は最高だった。
ディケイターの街を抜けると、僕らは再び36号線に合流した。あれだけ毎日走り続け、もう終わったかと思っていたのにまたもや僕らはこの道を走らなくてはならなかった。しかも、今日の36号はほぼ曲がることなく真東を向いており、単調さは極めつけであった。

ビザ屋

ディケイターの街を過ぎると、その日はほとんど大きな街はなかった。たまにしかないフードショップを見つけると、必ず休憩して補給を欠かさないようにした。


老夫婦が営んでいて、奥にはトレーラーでもドライブスルーができるようになっている

10時過ぎに見つけたフードショップも、何もない敷地にただプレハブの倉庫があるだけに見えた。しかしよく見ると窓の隅にOPENと書かれたネオンサインが掛かっていた。店を見つけるコツはそのネオンを見逃さないことだ。



お昼頃に見つけた店も一見普通の家の様に見えたが、中に入ってみるとそこはピザ屋さんだった。アメリカに来てまだ僕らはピザを食べたことがなかった。だから、今日のお昼はビザにすることにした。
その時僕らはMサイズのピザを注文したのであるが、ここをアメリカだということを忘れていた。テーブルにやって来たピザはとんでもないサイズだったのだ。4分の1を食べた時点でお腹はいっぱいだった。無理やり半分まで食べたが、それは何かの罰ゲームのようであった。残りの半分はテイクアウトして持っていくことにした。自転車の荷台で、ズシリとそいつは重かった

インディアナ州




午後4時になろうかというころ、平坦な道をひたすら進み僕らはインディアナ州にたどり着いた。僕らはいつものように州境の看板を探したのであるが、それは今までの中で最高にがっかりな看板だった。看板の下には州の基点である0という数字が書かれているのでそこが州境に違いないのであるが、それは村の看板ぐらいのレベルで、ただIndianaと書かれていただけだった。



僕らは何だか気分が盛り上がらないまま仕方なく進んだ。そう思っていたら、しばらく進むと立派な看板があったのである。「ようこそインディアナへ」僕らは一気に盛り上がった。

モンテズマ

州境を通過したところで、距離は190kmを越えていた。僕らは次に見つけた街ぐらいから宿を探そうと相談していた。
そうしてたどり着いたのがモンテズマという街だった。その街は小さな街だった。僕らは売店を見つけ中に入った。そこはドリンクと最低限の食べ物ぐらいしかない小さな店だった。
僕らはまさかこんな小さな街にモーテルなんて無いだろうと決めつけていた。でも、一応その店のおばさんに聞いてみたのだ。そのおばさんは少し怒りっぽい口調で最初ちょっと怖かったのだが、

「あるよ。裏の建物がそうだよ!」

かなり意外な答えに僕らはたじろいだ。裏の建物って、なんか一瞬廃屋かと思ったあれだろうか?少し泊まるには躊躇があったので、僕はこのあたりにランドリーがあるかを聞いてみた。

「ランドリーなんかで何するんだい?」

そう言われても着ていた服を洗うに決まっているではないか。

「そうだね。ランドリーはこの街には無いね」

ランドリーが無いなら仕方が無い。ここのモーテルを断る理由もできたと思ったのであるが、おばさんは少し顎をしゃくりながら考えた。

「でも洗濯なんか仕事が終わったら、あたしが家でしてきてあげるわよ」

またまた意外な答えにさらに僕らはたじろいだ。おばさんはその喋り方とは裏腹に言ってることは優しかった。更にここのモーテル、値段がびっくりするほど安かった。いつものリッチモーテルの半分ちょっとぐらいだった。
そんなわけでここを断る理由も無く、おばさんも実はいい人みたいなので、今日はここに泊まることにしたのだ。
僕らは早速部屋まで案内してもらった。

「少し誇りっぽいけど我慢しとくれよ。洗濯物は準備できたら店まで持ってきておくれ」

そう言っておばさんは店に戻っていった。

猫の魚

モーテルでシャワーを浴びた後、周りを散策してみるとモーテルの隣にレストランを見つけた。晩ご飯はそこで食べることにした。
M女史は今日は無難にサンドイッチを注文した。僕はメニューに何かわからない食べ物を見つけた。”Cat Fish”、猫の魚?さてこれはなんだろうか?

「猫なんかたべるの。ひえー」

などとM女史に馬鹿にされたのであるが、断じて猫ではないことは確かなので、僕はそのわからないものを頼んでみた。


しばらくしてテーブルに運ばれたものは、白身魚のフライであった。味はごく普通においしかった。
「ところで。さっき街を散策していて重要なことを教えてもらったんだ」

そう言って、僕は散策中に立ち寄ったガスステーションでのことを話した。

「どうやら、イリノイとインディアナは時間が違うらしい」

僕らは5時にこの街にたどり着いていた。と思っていたのであるが、またしても時間が1時間進んでしまったのである。食事を終えるともう時間は8時になろうとしていた。

洗濯物

無駄に1時間が過ぎたことで僕らはすぐに眠りについた。しかし洗濯物がいっこうに返ってこないことに気がついたM女史に、僕は11時ごろにたたき起こされたのであった。そういえば僕らが朝4時ごろに出発するつもりである、といったことはおばさんには言っていなかった。僕は表の店を見に行ってみた。店の明かりは消えていて完全に閉店状態であった。おばさんは自分の家に帰っているようだった。おばさんの家は近くなのかどうなのか、そういったことは聞いたりはしていなかった。店の開店時間を見ると朝の7時になっていた。下手をすると朝の7時まで出発できないかもしれない。そう思うとかなりへこんだ気分になった。
「大失敗だ?」そう思い悩んでいると、ブーンというスクーターの音が聞こえ、ヘッドライトの明かりがこちらに近づいてきた。それはまぎれもなくあのおばさんだった。おばさんはわざわざこんな夜遅くに洗濯をして戻ってきてくれたのだ。そうであるにもかかわらず、おばさんは当たり前の様に「ほらよ」とだけ言うと、くるりとUターンして去っていったのである。なんというかその立ち去り方はクールで、ちょっとしかめ面だったけどほんとは優しいそのおばさんに僕らは心が暖まる思いだった。

9 Responses to Day19 インディアナ州

  1. nemoto

    Cat Fishはなまず。白身で味は淡白だけど独特の風味があります。ひげが似てるでしょ♪

  2. M女史

    nemoto氏へ
    白身魚フライは好きなんだけど、あんなにでかいと
    ちょっと引いてしまいます。
    なまずと聞いて頷けます。この辺はドブ川しかないもんね。
    ところで、お正月に国際電話を数回してのですが時間のタイミング
    があわずにつながりませんでした。

  3. nemoto

    えっ、電話・・・。気がつきませんでした。うちだと携帯の電波の入りも悪いし、時差もあるのでメールの方が確実です。

  4. M女子

    nemotoさんの生声と私の生声で
    Happy new year
    を繋げたかっただけです(笑)

  5. AKIO!

    まいどまいど!
    いやー、覗いてへん間に、もうインディアナ州、ですか!速いっすねえ。Mサイズのピザ!の話は爆爆!でした。もっとも、この程度の大きさのピザなら、あの当時(大学3回)のあっしなら楽勝!でしたけど。ガハハハハ!!!(毎食時、最低1LのチョコミルクORコーク、プラスもろもろのメイン・サイドディッシュ、それにデザート、が胃袋に消えていた!!)

  6. M女史

    AKIOさん
    年始から雪の中を走りまくてますねえ!
    このピザ結局、補給食にも夕食にも
    ならずに、奈落の底にポイでした。

  7. M氏

    nemotoさん
    あの白身魚はほんとにナマズだったのでしょうか?
    そしてナマズはほんとに白いのか?謎は深まるばかりです。
    琵琶湖の博物館にもナマズフライはあるらしいです。食べには行きませんが。
    AKIO!さん
    あのピザ。持って走ったはいいのですが、
    炎天下の中走った後、タマネギがやばそうで食べる勇気がなかったです。
    もう、単なる重しにしかなりませんでした・・・

  8. AKIO!

    むーん。ま、確かにUSAの料理は、良くも悪くも大ざっぱなパターンが多かったような・・・。それと、ピザは冷めると不味くなるんすよねえ。アーメン!

  9. Nemoto

     川魚は基本白身でしょう。フナ、鮎、鯉・・・。なまずも含めて前述の魚は、子どもの頃家の近くの川(日本だよ)で釣って食べてました。知り合いに話すと何時の時代の人と言われますが・・・。USでも一度フライのCat Fish食べたことありますが、同じなまず独特の香りがしましたから確かです。

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