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Day14 カンザスの少年

Posted by on 2011/01/18
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今日のルート



道は平らなようで、昨日とおなじようなアップダウンが延々続く。街はきれいに50km間隔にある。その街々で休憩しながら今日も東へと進む。

オリオン座



今日も朝3時にスタートした。道はほとんど曲がることもなく東向きだった。だから東の空に毎日のように地平線から登ってくるオリオン座を見ることができた。
オリオン座が少し見上げるぐらいまで登ると、だんだんと空が明るくなってくる。オリオン座はやがて見えなくなるが、かわりに東の空からは太陽が登ってくるのだった。
今日の朝日もきれいだった。同じ太陽だけれども、毎日違う姿を見せてくれた。


フィリップスバーグ



今日最初にたどり着いた街はフィリップスバーグという街だった。モーテルやスーパー、ガスステーション、一通りの施設が揃った街だ。この先おなじような規模の街が50km毎にあった。今日のルートは本当に単調だった。この街でも、いつものようにガスステーションに立ち寄って朝ごはんを食べた。

カンザスの少年

道のアップダウンは更にひどくなってきた。1km登っては1.5km下るような感じで、最終的には下っていくのだけれど全く足の休まる暇はなかった。そんな大地のうねりが地平線まで続くのが見えた。
そんないつまでも続く道で一台の車が追い越していった。
更にしばらく走ると、母親と少年が何かを持って手を振っていた。いったい何なのか最初わからなかったが、その手に持っているものは水の入ったペットボトルだった。
少し通り過ぎて僕は急ブレーキをかけ止まった。後ろでM女史も止まっていた。
道の傍には、さっき僕らを追い越していった車が停まっていた。自転車で走る僕らを見た少年が、僕らに水をあげたいと思ったのだろうか?少年は僕の方へと走ってきた。そして僕に水を手渡してくれた。M女史も母親から水を受け取った。
「ありがとう」
僕らはその親子に言った。こんなことがあるとは思っても見なかったので、本当に嬉しかった。太陽は相変わらず暑かったけど、その水はとても冷たかった。僕らは一気に元気になった。

ベルビルのリッチモーテル

僕らは50km毎にあるちょうど4つ目の街、ベルビルにたどり着いた。ほぼ200km走り時刻は15時。今日はこの街で宿を探す。
今日のモーテルは簡単に見つかった。というのも街のだいぶ手前からモーテルの看板がたくさんあったのでだいたい当たりがついていたからだった。
スーパー8モーテル。今日泊まるモーテルだ。ここは全米に展開するモーテルのチェーン店で、少し値段は高いが設備はとても良い。ランドリーもアイスボックスも完備。更にコーヒー、ジュースがサーバに用意されてて飲み放題だった。今までのモーテルとは桁違い。そこはリッチなモーテルだった。
ただ残念ながら近くにはいい店はなく、日本だとジャパンぐらいの規模の雑貨屋があるだけだった。食料品がメインの店ではないからあまりいいものはないが、そこで売ってる冷凍食品を買ってそれを食べたのだった。

アレが無い!

久々に今日のモーテルにはランドリーがあったので、たまっていた洗濯物も一気に片付ける。ところが、自転車の後ろにくくりつけていたはずのアレが無い!と、M女史は大騒ぎしていた。
アレと言うのはそう、レーパンである。アソスのレーパンが無いのである。
明日からレーパン無し?それはただでさえ痛いおしりが想像を絶する状態になるぞ。ちなみに僕の方はおしりは痛いところと、それが治りかけて痒いところが天下分け目の戦いを繰り広げていた。いや、おしりだから割れ目の戦いか?ここ数日はやや痒い所の面積が優勢になりつつあった。
話がそれてしまったが、一応レーパンはもう一着あるので最悪の事態にはならずにはすみそうだ。
確か一つ前の街までレーパンはあったような気がする。二人してパニック気味になりながら、とりあえずこの街で立ち寄った所を探しにいった。

「昼間トンビがピーヒョロ飛んでたやろ。あいつずっとレーパン狙ってたからな、取られたんやで。」

そんなことはなかった。

「じゃあ、アメリカンなバイクに乗ったおっちゃんがよーさん走ってたやろ?取られたんちがうか?レーパン、ウェスにちょうどええて。」
「アソスがウェスて!!」

それはショックすぎる。
とにかくレーパンは見つかることはなかった。
今日のモーテルにランドリーがあって助かった。とりあえず明日のレーパンは既に乾燥済みだった。しかし明日からはどうなるのか?乞うご期待である。

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