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Day13 カンザス州

Posted by on 2011/01/14
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今日のルート


↑Day13から標高の縮尺を1000mまでに拡大しました。

昨日宿泊した場所は、もうカンザス州の手前20kmの地点だった。今日はまずその州境を目指す。それから先はまた進めるところまで進んでモーテルを探す。今日も、道はゆるゆると下るはずであるが…

カンザス州



今日も朝3時に出発した。出発前に食べたのは、昨日のあの売店で買ったパンともなんとも言えない物だけだった。雨は先ほどまで降っていたようで地面は濡れていたが、モーテルを出るころにはすっかりやんでいた。僕らはすぐ先にある州境をめざした。


↑暗くて何も写らない…

しばらく走ると、遠くに鉄塔か何かの上にあかりが灯っているのが見えた。僕はあのあかりこそ州境を示すものに違いないと思った。僕らはそこに向かって走っていった。
やがてその鉄塔の真下に着いた。ここが州境?そこには、鉄塔とその上で灯る電球しかなかった。州境にしては何もないが、念のため写真を撮った。しかし辺りはまだ真っ暗で写真には何も写らなかった。仕方なく先へと進んだ。
M女史は始めからあんなあかりが州境であるはずがないと思っていたようで、少し進むと看板があった。M女史はほら!といった様子だ。実際あのあかりは、どこにでもある単なる畑を照らすライトに過ぎなかったのだ。



最初に見つけた看板はカンザス州の看板ではなくEntering central time zoneと書いてあった。なんとここでもまた一時間が進むことになり、僕らはエーッという感じであった。せっかく早起きしたのにまたもや勝手に時間が一時間進むのだ。そういえば昨日のあのバーガーショップ、実はカンザスの時間で営業していたに違いない。あのバーガーショップから出てきた男性はコロラドの腕時計をしたカンザス人だったのだ!




そんなことを思いながら更に300mぐらい先に行くとカンザス州の看板もあった。ついに見つけたその看板の前で僕らは写真を撮った。

セントフランシス

州境から約10km。僕らはセントフランシスという町にたどり着いた。僕らは町の真ん中にあったガスステーションに立ち寄った。



中ではこれから仕事に出かけるであろう、この町の人々が朝ごはんを食べていた。トーストや目玉焼きなど頼めば作ってくれるようで、僕らはその人たちと一緒に朝ごはんを食べることにした。皆いったいどこから来てどこへ行くのか興味津々だった。東へ、ニューヨークへ行くんだと言うと、

「お前たちラッキーだな。東向きはここからずっとダウンヒルだよ」

と言ってくれた。地元の人たちがそう言うんだから今日は楽に進めるに違いない。



店の奥ではその店のおじさんができたてのドーナツを並べていた。いろんな種類のドーナツがあった。アメリカの食べ物、特におやつ系は甘すぎて日本人には合わないという先入観があったのだが、そのドーナツを食べてみてそんなイメージは吹き飛んでしまった。それ以降もドーナツを買うことは多かったが、どれもおいしかった。アメリカはドーナツがうまい国かもしれない。



店を出ると外はすっかり明るくなっていた。空はきれいな朝焼けだった。カンザスの人たちに見送られながら僕らは東へと走っていった。

農場



↑円形の畑に水をまくマシーン。畑の中心を軸に回転して動くようだ。

僕らの走っているルートは相変わらず農場地帯だった。このあたりの畑は円形になっていて、上空からみると気持ちの悪いぐらい丸い畑がいっぱいある。畑を横から見ても確かに円形になっているのがわかった。



そんな農場だけの道端にポツンとレストエリアがあった。とは言うもののそこにはちょっとした木陰と公衆トイレがあるだけだった。トイレは中は広い個室で意外にもきれいだった。
トイレの前には誰が見るのか掲示板があった。36号線協会とか書かれたちらしが貼ってあった。

サイクリスト

延々と東へと走っていると、向こうから何かやってくるのが見えた。近づいてくるにつれそれは自転車であることがわかった。こんな何もないところで出会ったことに嬉しくなって、僕らは立ち止まった。向こうもこっちに近づいてきた。



向こうの自転車は前後にパニアバッグを付けた上にリアカーまで引くという重装備だった。そしてなんと犬と一緒に走っていた。リアカーは犬の家だったのだ。
しばらく僕らはその場で話をした。彼はカナダから来た男性で、向こうもアメリカを横断している最中だった。彼は西へと向かい、カルフォルニア州の何処かへ行くらしい。
犬も興奮気味にワンワンと吠えていたが、リアカーに入るように促されるとおとなしく中に入っていった。お互いの安全を祈り、それぞれ自分の向かう方へと走りだした。そこは、距離にして2500kmを超えたあたり。ちょうど横断の中間地点で僕らは反対側から来たサイクリストに会えたのだった。


ダウンヒル?

今日はずっとダウンヒルだと聞いていたが、気がつけばじわじわと登っているところが何箇所もあった。下っていると思われる道もペダルを止めると止まってしまう程度の下りで、つまりずっとペダルは回している必要があった。こんなものはダウンヒルとは呼べなかった。昼から気温も上がり暑くなってくると、いっそうこのゆるいアップダウンが足に効いてくるのであった。

ノートンの街

アップダウン区間を走りきった212km地点、僕らはノートンという町にたどり着いた。今日はここで宿を探すことにする。時間は15時のはずだが、タイムゾーンが変わったせいで16時だった。
一件目のモーテルはランドリーが無かった。次のモーテルもやはりランドリーはなかった。昨日のモーテルもランドリーはなかったので手洗いで洗濯して、洗濯物は自転車にくくりつけて走りながら乾かしたのだった。できれば今日はランドリーがほしかったのだが、それ以上モーテルを探す気力も無く、仕方なく二軒目のモーテルに泊まることにした。
そこはHill Crest Motel庭にプールのあるモーテルだった。しかし夏だと言うのにプールの水は無かった。モーテルの裏手にはアイスマシーンがあるようだった。今日は氷は買わなくてすみそうだった。近所はガソリンスタンドぐらいしかなく、そこでご飯を調達した。昨日よりは多少はマシな食料にありつけた。
食事が終わると、空気入れの時間だった。あまりにアップダウンが多いので、ちょっとでも圧があった方が楽だと言うことでこれからほぼ毎日ハンドポンプで空気を入れ直す。
それから、洗濯やら装備の点検、準備やらで結構遅くなってしまった。眠るころには、空は暗くなっていた。

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