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Day06 See you.

Posted by on 2010/12/07
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今日のルート



今日はスタートしてすぐにユタ州の州境がある。そこでいよいよマイクとはお別れとなる。その後は元々1日前にたどり着く予定だったデルタの街まで走る。マイクと別れた後、ゴールまで街があるのかはわからない。地図には街の名前らしきものも書いてあるのだが・・・。



この日は空が明るくなりそうな5時頃に起床した。マイクに作ってもらうパンケーキもこれで最後だった。コーヒーを飲むとコーヒー豆の瓶も空っぽになってしまった。
出発の準備をしていると朝日が登ってきた。それはちょうどこれから僕らが進む方角だった。朝6時僕らはキャンプ場を出発した。




キャンプ場からはずっと下りだった。朝日に向かって僕らはどんどん進んだ。マイクの白いセダンが追い抜いていった。今までも何回も白いセダンは僕らを追い抜いて、マイクは手を振って僕らを応援してくれた。そして先回りして、サンドイッチとジュースを用意してくれた。



そんなことを考えながら走っていると、ふと何もない道の先にガスステーションがあるのが見えた。近づくとそこにマイクの車も止まっていた。?キャンプ場からはまだ1時間も走っていなかった。マイクがいつものように先回りして止まるにしてはそれはあまりにも早かった。
何もない荒野にぽつんとあるガスステーション。そこがユタ州との州境だった。いよいよ、マイクと別れる時がやってきたのだ。

州境で



ユタ州の看板の前で3人で並んで写真を撮った。シャッターはその時たまたま同じように記念撮影をしていた家族にお願いした。「この二人はこれからニューヨークに行くんだよ」とマイクはその家族に話をした。そしたら、その人達もすごく僕らのことを応援してくれた。というのも、その人たちも昔アメリカ中をリカペントで走りまわったことがあるようだった。「(リカペントと違って)サドルに座りつづけて横断するなんてハードだな」などと話をしながらその場は笑いに包まれた。
マイクからはありったけの飲み物をもらいボトルにいれた。サンドイッチももらった。
「マイク、本当にありがとう」他にもいっぱい言いたいことがあるはずなのに、あまり何も言えなかった。絶対ニューヨークまで行くからと心のなかで誓った。マイクは何かあったらいつでもメールでも電話でもしていいからと言ってくれた。
「行くよー」ってM女史に声をかけたけど、M女史はしばらくマイクと話していた。「See you, Mike。また会おうねマイク」そう言って僕は先に出発した。マイクといた日々はほんとに楽しくて、感謝の気持ちもいっぱいだった。別れるのは辛かったけど、僕らは先へと進んだ。

ユタ州

マイクと別れてからしばらく、僕らは無言のまま走り続けた。
今日はこの後150kmほど走ってデルタという街に到着する予定だ。そこには元々昨日たどり着く予定だった。
太陽がだいぶ高くまで登り暑くなってきたころ、平坦だった道は峠へとさしかかった。今までと違い少しきつい峠だった。
峠を下るとまたまた峠があった。そしてその峠の登りの途中に看板があった。
Next gas 47 Mile
約75km。それはゴールの街付近までガスステーションはないということを意味していた。暑くてボトルの水は減り気味だったが、少し飲む量を押さえなければならなかった。あと75kmも補給無しでもつのだろうか。昼からは風も強くなるだろう。風向きによっては恐ろしいことになるかもしれなかった。



峠を越えるとそこは地平線まで道が続くような平地だった。遠く右手の方向には大きな湖が見えた。道は延々と続いた。暑くて喉は渇ききっていた。水があれば頭からかぶりたい気分だったが遠くにある湖は近づいてくることはなかった。道の傍には誰が並べたのか石ころでJESUSと書いてあった。
その時である、とんでもない強風が吹き出したのである。幸運なことにそれは追い風だった。あと60kmぐらいの距離を下手をすると4時間ぐらいかかるのではないかと覚悟していたのだが、軽くべダルを回すだけで40km/hぐらいのスピードがでた。本当に助かった。向かい風でなくて本当によかった。

ガスステーション

追い風のおかげで、その平地区間は2時間ほどで走ることができた。たくさんの木が生えている場所に何軒かの住居が寄り添って立ち並ぶのが見える。その中にガスステーションの看板があるのが見えた。やっと何か補給ができる。追い風とはいえ、ずっと走りっぱなしでもう限界寸前だった。
しかしである、そのガスステーションは潰れて閉まっていたのだった。なんという仕打ちだろうか。しばし呆然としてしまったがとにかく水だけでも欲しかった。
近くの家で水をもらえないだろうか?M女史は人がいそうな家を探しにいった。すると家の軒先で青年が椅子に座っているのを見つけた。M女史は仕切りに水を訴えたが青年の答えはこうだった。

「水をあげたいのは山々なんだが、あいにくここは僕の家じゃないんだ。ここは僕の母さんの家でいつ帰るかわからないけど母さんを待っている。僕だって中に入れなくて困ってるのさ。中に入れたら水なんかいくらでもあげられるんだけどね。でもあと5kmも走れば店があると思うよ。」

というわけで、水は諦めて我慢してあと5kmだけ走ったのだった。

44oz

やっとの思いであと少しを走ると、ついに営業中の大きなガスステーションにたどり着いた。僕らは中へと駆け込んだ。とりあえず飲み物。目にとまったのは、巨大なカップとジュースサーバだった。迷いもなく一番大きなカップを取った。1リットルは軽くあるであろうそのカップはなんと1$程度で、その時のレートだと90円ぐらいということになる。普段なら確実に飲み残してしまいそうだが、あっという間に飲み干し、2杯目に突入した。生き返った気分だった。

デルタの街

そのガスステーションはデルタの街の端の方にあり、街の中心まではもうあと5分ぐらいの場所だった。
今日のモーテルはまだ決めていなかった。元々は事前に予約していたのだがすでにキャンセルしていた。、一日遅れになったり、なにより走ってみないとその日どれだけ走れるかわからないことがよくわかったので、予約は無しで行くことに決めたのだ。
早速みつけた一件目の宿は、残念ながら満室だった。しかし、その宿のカフェで飲んでいたおじさんがこの先にいい宿があると教えてくれた。教えてもらったモーテルはデルタンインというモーテルだった。

デルタンイン

はたして今度のモーテルは泊まれるのだろうか。受付には誰もいなかったがしばらくすると向こうの方から女の人が歩いて来た。泊まれるか聞くと空き部屋があるようだった。
デルタはそこそこ大きな街で、これぐらいの街なら今後も飛び込みであっても泊まる場所がないということはなさそうだった。
15時。今日は169kmを走り無事チェックインすることができた。そして、僕らは3日ぶりにシャワーを浴びることができた。

晩ご飯

今まで晩ご飯はマイクに用意してもらっていた。しかし、当たり前の話だがこれからは自分たちで用意しなければならない。ある意味これからが本当のアメリカ大陸横断なのかもしれなかった。
この日はモーテルの近くにスーパーがあったので、そこで晩ご飯と明日の朝ご飯、ボトルに入れる水、ゲータレード、そしてアイスブロックを買った。これらをモーテルまで持ち帰るのは意外にも大変だった。とにかくこの国は売っているもののサイズがいちいち大きいのだ。少ししかいらないものでも、いろいろ買っているととんでもない量になるのだった。
今日の晩ご飯は電子レンジで作れる冷凍食品だった。調理道具はないので、基本的には電子レンジで作れるものが食料だった。温めるのにも少し時間がかかるので、その間に僕は近くのランドリーに洗濯を仕掛けに行ったのだった。
その時、ある事に気がついた。建物の上にある大きな時計。自分の腕時計より1時間進んでいるのだ。どうもユタ州からタイムゾーンが変わっていたようだった。何もしていないのに時間が1時間経過していたのだ。すごく損な気持ちになった。
モーテルに帰るとご飯ができていた。冷凍食品にしてはまあまあ美味しかった。マイクがよく買ってくれていたのと同じようなヨーグルトも見つけて買っておいた。少しマイクといた時のことを思い出した。
日没はもう少し先のようで外はまた明るかった。しかし、明日から朝は早い。ご飯を食べるとすぐに眠りについたのだった。

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