徳島県神山町。438号線添いにある道の駅「神山」にM氏の車を止めた。ここから野間谷川内林道を走り、剣山スーパー林道に合流する。神山町役場から野間谷川の道を走り、橋を渡って細い舗装路の山道を登っていく。そんな山道を延々登っていくと頂上らしき見晴らしのよい場所に出た。「四国の道」真新しい道路の標識にはそう書いてあった。
そこから少し下ると分かれ道に出た。左は舗装路で、右はオフロードで「スーパー林道⇒」と書かれた標識があった。
「???」
私の頭の中は?でいっぱいだった。スーパー林道の起点は左方向のはずだけど、左側は完全な舗装路だった。右は下り基調のオフロード。スーパー林道の起点からファガスの森まではたしかずっとオフロードの登りのはずだから右かな!! とにかく舗装の登りでストレスがたまりまくっていた私はオフロードで全開モード出しまくり。M氏を振り返る事もなく、パンクするんではないかと言うほど下りで飛ばしまくった。
いつものロストの女王の力も全開で発揮してしまった。下って分岐点に出た途端「え!!!!」と思った。
そう。スーパー林道の起点とは逆方向、ファガスの森へと行く分岐点の国道へと出てしまったのだ。あまりの自分の失態に力が抜けてしまった。
そこへ、ヘロヘロになったM氏が走ってきた。
時間は11時をまわっていた。元々スーパー林道の起点には10時には着いておかないとと話していたのに。
さっき下ってきたオフロードの脇にはちょうど車を停められるスペースがあった。
今日はもうここから車に戻って、温泉入って、おいしいそばでも食べて。それからキャンプしよう!!
国道の分岐点にあるトンネルを抜けると、滝や名所のパレードだった。そして雄雄しい山々を眺めながら下りっぱなしで道の駅までたどり着いた。
神山温泉は道の駅のすぐ裏にあった。そこで温泉に入っておいしいそば屋を教えてもらい、そばを食べた。そしてキャンプ場へと向かった。
岳人の森。そこは明日車を置く予定のスーパー林道の中間地点のすぐそばにあった。標高978m。何年もかけてトラックで土を運び作られたキャンプ場だった。だだっ広いキャンプ場ではなく、山の尾根沿いにこじんまりと台地が階段状に作られていた。その晩私たちがテントを張ったところには誰もテントを張る事はなかった。
私は子供に借りた小さなテントを設営した。そしてM氏のバーナーでご飯とカレーを暖めて星空を眺めながら夕食をとった。
そして、それぞれの寝床についた頃しとしとと雨が降り始めた。
あまりにも快適な寝床に私は予定より1時間も寝坊してしまった。急いで朝食の用意をする。
キャンプのディナーも好きだけど、朝もやの中で飲むコーヒーは格別だと思った。
しかし、しきりなおしのスーパー林道にゆっくりもしていられず、私たちは後片付けをして昨日の場所に車を走らせた。
私の胸の中は抑えきれない思いが溢れ出そうになった。12年前。友人と走ったスーパー林道の面影が陽炎のように甦ってきた。
昨日ロストした分岐まではゆるやかな登りが続いた。M氏を待って、改めてスーパー林道の起点方向へと向かった。
ここの分岐で昨日はロストした・・
しばらく全舗装の急激な下りが続く。以前走った時は全てガレガレのオフロードだった。なぜ舗装に?これがスーパー林道???ここの登りは本当に厳しかったのに・・。
あまりに続く舗装の下りに私は足を止めてしまった。しばらくしてM氏が来る。
私は思わずM氏に言ってしまった。
私たちは気を取り直して再び下りはじめた。
傾斜がゆるくなり始めると、道はオフロードになった。
そう思う景色が現れてきた。しかし再び村の中の道は舗装路になりスタート地点まで続いた。
そう思いながらスーパー林道起点の場所にたどり着いた。
私たちはそこで写真を撮った。そして今まで下ってきた道を登り返した。
私たちは勝浦川沿いの道を渓谷の景色を楽しみながらゆっくりと登っていった。そして橋を渡った分岐からオフロードが始まる。柴小屋の原生林が続くゆるやかなオフロードの登りには、以前私が走ったスーパー林道の面影が残っていた。旭丸峠へのきつい登りが始まる手前から舗装路が始まった。くねくねとした長い登り。根性のいる区間が今は全て舗装されてしまっている。でも今の私にはその舗装ののぼりですらきつかった。
坂を登り詰め、昨日間違った分岐のところまで戻ってきた。
途中からは舗装の登りが続く・・
旭丸峠。標高は1180m。ここから土須峠まではオフロードの下り。そして私はM氏を振り返らず、ぶっ飛ばしながらダウンヒルを楽しんだ。
再び193号線の分岐近くに停めたM氏の車のところまでたどり着いた。補給して休んでいると、ヘロヘロになったM氏の姿が見えた。
そこからファガスの森間での登りが一番きつい。その後が下りのオフロード。
そして国道を少し下ると右手にスーパー林道へが続く分岐があった。ファガスの森までは浮き石のある走りづらい登りが続いた。この7kmがスーパー林道で一番つらい区間だと思う。後ろにいたM氏は見えなくなっていた。私もリュックが重くてお尻やら腰やらが痛かった。
ブナの原生林が続く林道でオフロードのオートバイやジープが私の横を走り抜けていく。何度目かのカーブを曲がるとファガスの森キャンプ場にたどり着いた。私の目の前には12前の景色と全く変わりのない風景が広がっていた。
ファガスの森「高城レストハウス」の前で登山客やバイクライダーと話しながらM氏を待った。ヘロヘロのM氏が来た。
そしてレストハウスでカレーを食べることにする。ここで食事をするのは初めてだったが、何のかわりもないカレーなのにすごくおいしかった。
そこからは浮いた石もなくジープ道に近かった。ゆるやかな登りが最高地点まで続いた。そこは風がきつくて吹きさらしだった。すぐ追いついてきたM氏と写真を撮った。
ここは徳島のへそ。風がきつい・・
スーパー林道。最高地点
気分の高鳴りを抑えきれない私に同調してくれるようにM氏は笑顔を向けてくれた。
少し下ると右手にレールが見えた。高城山レーダー基地だった。
M氏も少し興奮気味だった。
そう言って私は最後のダウンヒルを楽しんだ。左右に雄大な景色を見ながら尾根筋を北へ南へと下る。途中大きな石がゴロゴロと転がっていて、道路が半分土砂で埋まっていた。
目の前を野生のシカが横切る。そんな中ダウンヒルを楽しんでいた私は、右手に川成峠の道しるべ板を見つけ急ブレーキをかけた。砂利石で後輪が滑りずっこけてしまった。
一人で大笑いした。
M氏を待って、少し先の県道295号へ降りる道にたどり着いた。そこから先も続くスーパー林道はそこで通行止めになっていた。
この先はさらにダウンヒルが続き、さらに道は荒れて、石も尖ったのがころがっている。12年前走った時は、その石でタイヤサイドがバーストして、テレフォンカードを挟んで下った。
今はここまで走れたことに満足です。スーパー林道の大自然の中を走りぬけるMTBの素晴らしさを実感しました。
ここで剣山スーパー林道を愛するファンの一人として、通行止めの復興を望みます。日本一を誇る剣山スーパー林道の復活を待っています。もう一度全長87.7kmの剣山スーパー林道をMTBで走り抜ける日まで・・・・。
内緒で行なんて。。。
こんど、いぢめてやる(^O^)v
DRB関係者のお知り合いには、今年完走した変人がいて
直接話を聞いたが、未だ悲惨な状況らしい。。。
俺は、MTBで全線走破する気にはなれないが
モトクロ乗りとしては、是非 全線開通を望む!
きさま
ごめんなさいー。
全線開通したら、皆で大団幕かかげて走りに行こうね!
すいません実は走ってきました。
僕は死にそうでしたがね。