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Day07 パレード

Posted by on 2010/12/14
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今日のルート



マイクと別れて、今日から心機一転新たな旅立ちとなる。自分たちだけで進むアメリカは一体どんな顔を見せてくれるのだろうか?今日のルートは東向きではなく、やや北向きに197kmを走る。ゴールはソルトレイクシティの近くのヒーバーという街だ。今日は途中にたくさん街があるので補給には困らないだろう。峠らしい場所はなく少しアップダウンがあるぐらいだ。

起床



朝というか深夜2時起床。しかし体は正直なものでまだユタ州のタイムゾーンには慣れておらず、1時に起床したと思っているはずであった。そうとう眠かった。僕らは朝ご飯を簡単に済ませ、朝3時にモーテルをあとにした。
辺りは相当暗かった。遠くで犬の鳴き声がする。それはどんどん近づいてきたかと思うと、突然横から二、三匹の犬が飛び出してきた。一目散にペダルを漕いで逃げ延びた。あれは飼い犬なのだろうか、野良犬だったのだろうか?おかげで少し目が覚めた。
流石に朝3時とかに出発するとなかなか太陽は登ってこない。道は登り基調でゆっくりとしたスピードに眠たくなる。



やっと太陽が登ってきたのは、ちょっとした丘の上だった。山肌に岩場がゴロゴロとあるのだがなぜかそれらの岩は落書きだらけなのだった。




今日は街がいっぱいあるはずだが、なかなか街はなかった。明け方でに見たのは大きな工場と畑だけだった

朝ごはん

午前8時、約80kmを走ったところで最初の街らしい街にたどり着いた。何か店でも無いかと探したが、こんな時間に開いているのはガスステーションだけだった。ガスステーションではコーヒーとホットドックやサンドイッチを買って食べた。気温はまだそれほど高くなかった。コーヒーは体を暖めてくれると共に、眠気を飛ばしてくれた。



街を出るとすぐに道は田園地帯へと変わった。線路に列車が走っているのが見えた。とんでもなく長い貨物列車だった。
そんな田園地帯の田舎道は車も少なくて走りやすかった。そんなところで、久々に地元の自転車乗りとすれ違った。他の自転車乗りを見かけたのはヨセミテ以来だった。

パレード


↑人の家がある。遠くには三角のおにぎりが連なったような山が見えた。

そんな田舎道を1時間も走ると、再び人の家がちらほらと見えてきた。街が近づいてきたようだ。道はそのまま6号線との交差点へとたどり着いたのだが、そこには人がいっぱい集まっていた。




6号線はその街のメインストリートになっているようで、そこでパレードが開催されていたのだ。パレードの行列からは時折道路にお菓子がばら撒かれ、子供たちはそれを取り合いながら楽しそうに集めていた。何も知らずに偶然出くわしたその様子に疲れも吹き飛んですごく楽しい気分になった。

りんご



パレードの街をあとにして、僕らは先へと進んだ。お腹がすいたので休んでりんごを食べたり、見つけたガスステーションで補給を取ったりした。りんごは、車がびゅんびゅんと走る、ハイウェイに架かる橋の上で食べた。向こうからその橋を大きな農耕車が登ってくる。農耕車のおじさんはりんごを食べている僕たちに手を振ってくれた。



ちょうどお昼ごろ、距離は150kmを超えて僕らは大きな街の中を走っていた。お昼までにだいたい150kmを走れればいい感じのペースということになる。1日に平均200kmを目指して走るのだが、お昼までに150kmを走り残り50kmを昼過ぎから夕方にかけて走るのだ。そうするとモーテルも探しやすくて、チェックインもしやすい。それはなかなかいい作戦だった。

しばらく続いた街中の道は終わり、道は山間部の谷間を走るハイウェイへと変わった。車のスピードが街中に比べて上がった気がする。一瞬、ここは自転車で走っていい場所なのかと思ったが、道の傍にShare the roadの看板があった。どうやら大丈夫なようだ。
谷間の道には横に大きな川が流れていた。そこはレジャースポットになっていて、多くの人がボートに乗ったり、急流下りなどを楽しんでいた。



しばらく進むと、そこには大きな滝があった。かなり高いところからその滝の水は注がれていた。よく見ると、海パン姿の人が滝の中腹辺りまで登っているのが見えた。
そんな滝を通り過ぎて、しばらくするとかなり強い横風が吹き荒れてきた。そして雨もパラパラと振り出してきた。念のためバックにカバーだけ付けて、走り続けた。
雨はすぐに止んだのだが、風はどんどんときつくなっていった。そんな中、こともあろうかハイウェイの路肩が工事区間となった。仕方なく強風の中を車の脇すれすれを走る。バランスを取るのに必死だった。道はアップダウンの続くくねくね道で緊張の続く区間だった。
しかし、そんなところを同じジャージを着た集団が対抗車線を走って来た。こんな危ないところでまさかの集団練習とは、なんてクレイジーなんだろうと思った。

一難去って

やっとのことでハイウェイ区間を抜けるとそこはもうゴールの街だった。もうあと数百mも走ればゴールのモーテル地帯という交差点で信号に引っかかる。しばらくして信号は青に変ったのだが、ペダルを踏んだ瞬間いつもと違う感触に見舞われた。チェーンがギヤに絡まらずヌルッと滑る感覚。なんと、強風でどこからともなく飛んできたビニール袋がディレイラーに絡まり、それに気付かずペダルを踏んだため、完全にプーリーにビニールが食い込んでしまったのだった。
大丈夫なんだろうかと、かなり焦った。ビニールをハサミで切り取り、小さくなったビニールのかすを引っ張り出すという地道な作業が続いた。時折強風で自転車も倒れそうになるなど、最悪の環境だった。プーリーのネジを緩めて回転部分に食い込んだビニールを抜き取って、やっとのことでトラブルから復旧した。ディレイラーはなんとか大丈夫なようだった。手は油汚れで真っ黒になってしまった。
今日はかなり早くに200kmを走りきり午後3時にはチェックインかと思っていたのだが、モーテルに入れたのは4時ごろだった。どうやら、何事も無く走りきれる日というのはアメリカでは1日たりとも無いようであった。

ホリデーイン

今日のモーテルはすぐに見つかり、1軒目でチェックインすることができた。名前はホリデーイン。受付はひげを生やしたインド人っぽいおじさんだった。ランドリーは目の前にあったが、スーパーは近くにはなかった。かわりに大き目の薬局があり、少しだけ食料品が売っている程度だった。



モーテルの目の前は街のメインストリートだった。そこには今日の朝見たのと同じように人がたくさん集まっていた。どうやらここでもこれからパレードがあるようだった。僕らはパレードを見ながら晩御飯を食べた。
こうして、ユタ州に入ってから2日目も走り終えることができた。明日からはいよいよ国道40号線をひたすら東へと進む日々が始まる。今日もまだ明るいが明日も早い。僕らはしばしの眠りに就くのであった。

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